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僕がプログラミングをはじめたきっかけ

プログラミングをはじめたのは、たしか2回生の春だったと思う。
そのきっかけになったのは、
「就職に役立つスキルを今のうちから身に付けておこう」
みたいな打算的な考えからだったと今まで思っていたけれど、
やっぱりそれはごくごく一部に過ぎなかった、と思い直すに至っている。


自分がプログラミングをはじめたのは、
「自分 − 【何か】 = ゼロ」になるような
確かな専門性を手にしたかったからだ。
今でははっきりとそう思う。





自分は中学まで、
誰よりも「勉強ができて」「リーダーシップのある」人だった。
正確に言うと「そうだと思い込んでいた」。
生徒会長なんかもやったりして、
友達や先生たちからはいつもちやほやされて、
とても満たされていたと思う。


だけど高校に進学して、
自分より勉強の出来る人が山ほどいる(むしろ自分は下から数えたほうが早い)現実や、
自分よりも求心力を持った人も山ほどいる現実に直面して、
自分は「勉強の出来る人」でも「リーダーシップのある人」でもないと、
はっきりと気付いてしまった。


自分は何も持ってない。
自分を頼りにしてくれる人は、もういない。
自分が周りに与えられるものは何も無い。


そのことに気づいた時から、
自分はいつも人に対して、おどおどと、媚びるように接するようになった。
自分が何も持ってないことが相手にバレるのが怖くて、
人と接したり、人間関係を広げるといったこともどんどん苦手になっていった。





そんな「何も持ってない」自分が嫌で嫌で、
だから大学に入ってからは、
狂ったように「打ち込めること探し」をした。


自分はどの分野でなら勝負ができそうか。
いろんな分野の本を読みあさってみたり、
これかなと思う分野のサークルに入って活動してみたり、
社会勉強になりそうなバイトを背伸びして挑戦してみたり・・・。


そんな試行錯誤の中、背伸びして人と会うことに疲れ始めた頃に
ちょうど出会ったのが「プログラミング」で、
コードで自分を表現する世界にすぐに取り憑かれた。
ほしいものを作り出す力を持つ。
それは信じられないほど自分を自由にした。


自分はアプリケーション開発の専門性を築いて、人から頼りにされたい。
社会的に承認されたい。
「頼りにされる自分」を取り戻したい。
自分はこれで勝負していこう。
そんな想いを持つようになった。



そんなふうにしてプログラミングの世界に入ってから、丸2年以上が経った。


2年という時間を投資して、
「自信が持てるようになったか?」と問われると、
答えははっきり、ノーだ。

この2年間で、インターンなどを通して、
「すごい人」をたくさん、たくさん、
数えきれないほど知ってしまったからだ。
その中には年齢が僕とほとんど変わらなかったり、同い年な人も何人もいた。


いわゆる「高速道路の先の大渋滞」っていうのは、こういうことだったのだと痛感した。
「この分野ではなんとなく自分はうまくやっていけそうだ」とどこかで驕ってたけど、
自分よりも優秀な人が掃いて捨てるほどたくさんいる、というのは
どこの分野でも一緒だった。
そんなことにも自分は気づいていなかった。


何かを新しく勉強するたびに
「すごいひとのすごさ」を痛感するようになって、
前に進むほど、自信は失われていった。



それでも「この分野で勝負してきたいな」という気持ちは変わっていない。


なんでかと、問われると、
やっぱりプログラミングに愛着を持っているからだと思う。
住んでいる地域や所属する組織を超えてコードで人とつながれるあの感じ、
ものを使う側から作る側に回ることによる圧倒的自由、
それらにやみつきになってしまったというのが大きい。


どこかで、もう腹は括れている。
上を知って絶望することも、
自分のできることの軽さに押し潰されそうになることも、
精神的な支柱のない孤独な毎日も、
全部全部、受け入れていこうと思う。
そして乗り越えていこう。


「もっと自信を持ちなよ」と言っていただくことは多い。
だけど自分には、考え方を変えることによって自信をつける、というのは難しいようだった。
それなら、正面から堂々と、
自分が納得できるまで、粛々と走り続けていきたい。


「できる人」と認知してもらえるその日まで、
「頼りにされる自分」を取り戻すまで、
自分で自分のレベルに満足できる域に達するまで、
今日も明日も明後日も、
プログラムを書き続けて、技術書を読み続けていたい。